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戒壇(かいだん)

戒律を授けるための壇。受戒の式場のこと。インドに始まり,中国では3世紀半ば頃に洛陽に造られたと伝える。日本では,来訪した鑑真(がんじん)が754年(天平勝宝6)東大寺大仏殿前に築き,400人に菩薩戒を授けたのが最初。翌年常設の戒壇(戒壇院)を建立し,761年(天平宝字5)には下野国薬師寺,筑前国観世音寺にも設置,三戒壇とよばれた。平安初期には最澄が比叡山に大乗戒壇の設立を申請,没後の822年(弘仁13)勅許を得た。のち天台宗は山門と寺門の両派に分裂,寺門派は園城(おんじょう)寺に戒壇創設をはかるが,山門派の反対によって実現しなかった。東大寺戒壇院は三重の高壇を築き,中央に釈迦・多宝2仏を安置する多宝塔をおく。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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