開拓使(かいたくし)
北海道および樺太の開拓を主任務とした明治初期の官庁。1869年(明治2)7月,版籍奉還後の官制改革により設置。当初東京に本庁をおいたが70年閏10月函館へ,さらに71年5月札幌に移転した。70年5月黒田清隆が開拓次官(74年長官)に任命されて,開拓政策推進の中心となった。黒田は71年1~6月に渡米し,H.ケプロンを開拓使顧問として招くことを決定。72年以降10年間毎年平均100万円の継続支出が認められた。道路・鉄道・都市の整備,官営工場経営,石炭の採掘,屯田兵の配置,移民の入植・定住など,82年2月開拓使の廃止までの10年間の総事業支出は2000万円をこえたが,官営事業はほとんど欠損を生じた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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