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廻船式目(かいせんしきもく)

日本最古の海商法。末文に1223年(貞応2)成立と記すが,これは権威づけのための仮託で,実際の成立は戦国期と推定される。中世以来の各港津の発達,運送業者の分業化や座的団体の形成とそれにともなう権利強化,活動範囲の広がりが,古くから各地方に存在した慣習法をもとに,広範囲な地域に統一的に通用する成文法の成立を促した。写本も多く条文数もまちまちだが,原文は31カ条で,のち修正・付加された。内容は多様だが,船主・荷主・船頭・水主(かこ)それぞれに対する共同海損の規定が多くを占める。近世に入ると海法も多様化するが,「廻船式目」はその核として継承された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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