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戒厳令(かいげんれい)

戦時またはそれに準じる非常事態に際して一定の区域内の国民の権利・自由を制限し,行政・司法の事務の一部または全部を軍事機関の支配下におくことを定めた法令。1882年(明治15)太政官布告第36号として公布。大日本帝国憲法では,戒厳の宣告は天皇の大権とされ(第14条),形式は勅令で定められた。臨戦あるいは合囲の区域(敵軍に囲まれたり攻撃をうけたりする区域)では,戒厳司令官が行政・司法事務を管轄し,集会や出版物の停止,民有の家屋や物品の検査・接収,郵便物の開封などの権限をもった。日清戦争,日比谷焼打事件,関東大震災,2・26事件などに際し地域を限定して実施された。第2次大戦の敗戦により失効。日本国憲法には戒厳の規定はない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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