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両墓制(りょうぼせい)

埋葬地(遺体を埋葬する墓地。一般に埋墓(うめばか)という)と,石塔を建てる墓地(一般に詣墓(まいりばか)という)を離して設ける墓制。この墓制は関西地方を中心に分布し,九州や東北地方ではほとんどみられない。両墓制については,死骸と霊魂の分離を前提として死骸=穢(けがれ)=埋墓と,霊魂=清浄=祭地=詣墓という一つの連続した葬墓制の習俗としてとらえる学説と,埋墓は死者への恐れや穢によって村境の外に設けられ,詣墓は仏教信仰の影響で礼拝供養するために新たに建てられたものとし,異なった二つの要因が二つの墓地を形成したとする学説がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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