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両部神道(りょうぶしんとう)

習合神道・真言神道とも。真言密教との神仏習合説をもとに成立した神道。名称は,真言密教の世界観を表す胎蔵界曼荼羅(まんだら)・金剛界曼荼羅からなる両界曼荼羅(両部曼荼羅)により仏と神の習合の関係を示したことによる。平安時代から主張され,鎌倉時代には空海などの主張のかたちを借りて理論書が提示され,1318年(文保2)成立の「三輪大明神縁起」で神道説が説かれた。両部神道の名称は,吉田兼倶(かねとも)の「唯一神道名法要集」ではじめて使用された。近世以降,新たに提示された神道説の基本と位置づけられたが,明治期になると神仏分離政策により衰退した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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