1. 用語
  2. 日本史 -り-
  3. 両統迭立(りょうとうてつりつ)

両統迭立(りょうとうてつりつ)

鎌倉後期,皇位・所領をめぐって対立した二つの皇統,後深草天皇系の持明院統と,亀山天皇系の大覚寺統との間で,交替で天皇を出すこととした原則。後嵯峨上皇が後継者を指名することなく没した後,決定をゆだねられた幕府は,上皇の中宮大宮院の証言によって亀山天皇の親政とし,天皇が皇子世仁(よひと)親王(後宇多天皇)に譲位した際には,北条時宗の斡旋によって後深草皇子熙仁(ひろひと)(伏見天皇)を皇太子とした。これ以降,持明院統の後伏見,大覚寺統の後二条,持明院統の花園が交替で皇位につき,皇室領荘園も持明院統が長講堂領を,大覚寺統が八条院領を継承して室町院領は両統に折半された。1317年(文保元)文保の和談によって両統迭立を守ることが求められ,大覚寺統の後醍醐が皇位についた。この時点では,さらに持明院統が後伏見系と花園系,大覚寺統が後二条系と後醍醐系に分裂。26年(嘉暦元)持明院統の量仁(かずひと)が皇太子になったことは,後醍醐天皇の倒幕運動の動機の一つとなった。南北朝内乱ののち,92年(明徳3・元中9)の両朝合一によって再び両統迭立の原則によることとなったが,実際は持明院統のみが皇位を継承した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう