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領家(りょうけ)

荘園領主のうち本家の下位におかれた権門勢家。本家職(ほんけしき)が成立していない場合は,領家ひとりが荘園領主であった。平安後期以降の荘園は,平安中期の国免荘(こくめんのしょう)を前提としたものが多く,院政期には,領家であった中流の貴族や官人が,競って上級権力者に国免荘を再寄進した。こうした場合には領家の上位に本家が成立したが,再寄進されないままの荘園も多かった。寺社領の荘園では,平安中期の荘園がそのまま再編されたものも多く,荘園領主は領家のみであった。その権限は,国衙(こくが)公権を分有したものであり,預所(あずかりどころ)や上司(じょうし)を現地に派遣して荘園の経営にあたったが,実際の経営は,下級荘官である下司(げし)などの在地領主層による場合が多かった。なお,領家は職権の面からみるときは領家職とよばれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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