1. 用語
  2. 日本史 -り-
  3. 両界曼荼羅(りょうかいまんだら)

両界曼荼羅(りょうかいまんだら)

両部曼荼羅とも。胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅と金剛界(こんごうかい)曼荼羅の2種の曼荼羅をあわせた呼称。両曼荼羅は別個に成立・発展したが,中国では二元論的に把握され,東西一対の曼荼羅として位置づけられた。胎蔵界曼荼羅は「大日経」に依拠して図絵され,金剛界曼荼羅は「金剛頂経」により縦横に整然と9区(九会)の曼荼羅を並べたもの。前者は悟りの本来の姿(理)を示し,後者は仏の智恵の実相を表したものとされ,両曼荼羅を統一して理智不二という密教的な世界観を表す。空海請来の正系である現図(げんず)曼荼羅のほか,子島(こじま)曼荼羅・西院曼荼羅などの別系本があり,また台密(たいみつ)では金剛界曼荼羅に八十一尊曼荼羅を用いることもある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう