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琉球征服(りゅうきゅうせいふく)

江戸幕府が対明政策の一環として薩摩国の島津氏に行わせた琉球侵略。徳川家康は1599年(慶長4)以降,豊臣秀吉の朝鮮侵略後の講和交渉に着手した。家康は琉球に明との講和を仲介させるため,1602年冬,奥州伊達氏領に漂着した琉球人を島津氏に命じて送還させ,尚寧(しょうねい)王に来聘を要求したが,琉球は応じなかった。06年3月島津氏は来聘問題の解決と版図拡大の二つを狙って琉球出兵を計画し,09年3月樺山久高を大将に3000余を出兵。4月1日尚寧が降伏,同4日首里城を開城した。5月末島津軍は尚寧・三司官らを鹿児島に連行し,7月7日家康はその戦功を賞し琉球を島津家久に与えた。10年8月尚寧は家久にともなわれて駿府で大御所家康に,江戸で2代将軍秀忠に会見。幕府は尚寧に琉球の存続を保証した。14年冬,幕府は琉球を通じて日明関係の樹立を希望するが,琉球は幕府の要望を明側に伝えなかったと思われる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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