1. 用語
  2. 日本史 -り-
  3. 律宗(りっしゅう)

律宗(りっしゅう)

南都六宗の一つ。日本仏教十三宗の一つ。浄戒を固く守ることにより成仏をめざす宗派。「四分律」や「梵網(ぼんもう)経」などを所依の経典とする。唐招提寺創建の鑑真(がんじん)を宗祖とし,法進・如宝・豊安・思託らが継承したが,平安時代に入って衰退した。平安末期に実範がでて戒律の衰微を憂え,鎌倉初期には貞慶が戒律の復興を企図し,弟子の覚真は興福寺に常喜院を創建して律学道場とした。鑑真以後衰滅した如法(にょほう)の受戒を復興したのは覚盛(かくじょう)・円晴(えんせい)・有厳(うごん)・叡尊(えいぞん)の4人だった。叡尊は西大寺を拠点として教えを広め,弟子の忍性(にんしょう)は鎌倉極楽寺に拠って律宗の布教に努めるなど,西大寺流律宗は鎌倉時代を中心に全国的な広がりをみた。覚盛の唐招提寺流からは東大寺戒壇院中興の円照や凝然(ぎょうねん)らが輩出した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう