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立憲政治(りっけんせいじ)

憲法にもとづいて国民の権利と自由を定め,議会を設けて国民を政治に参与させる政治形態をいう。ヨーロッパを中心に強大な王権を制限するかたちで発達し,19世紀末までにはヨーロッパ諸国の大半で立憲政治が実現した。その知識は1820年代に日本に伝えられ,幕末の対外危機のなかで立憲政治採用論が芽ばえた。明治維新をへて,72年(明治5)頃から公選の議会設立案が政府部内で検討され始め,つづいて民権派の国会開設運動も始まり,欧米列強と並び立つ強国の建設を目標に立憲政治の実現への動きが進んだ。89年政府の主導による大日本帝国憲法の発布,90年の帝国議会の開設の結果,日本はアジアにおける唯一の立憲国家となった。憲法はプロイセン流君権主義をとりいれていたが,第1次大戦後には議会中心の政治運営が立憲政治の常道(憲政の常道)として定着した。第2次大戦下,軍部の台頭で立憲政治は危機に瀕したが,1947年(昭和22)日本国憲法が施行され,議会制民主主義を原理として強力に復活した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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