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親鸞(しんらん)

生没 1173~1262.11.28 鎌倉中期の僧。浄土真宗の開祖。京都生れ。綽空(しゃくくう)・善信とも称し,愚禿(ぐとく)と号する。諡号は見真大師。父は皇太后宮大進の日野有範。9歳で比叡山に出家して範宴(はんえん)と号し,常行三昧堂の堂僧を勤める。1201年(建仁元)京都の六角堂に参籠し,聖徳太子の示現によって法然(ほうねん)に従い専修念仏に帰入。07年(承元元)2月,朝廷は法然以下の専修念仏を弾圧し,親鸞は越後に配流された(承元の法難)。11年(建暦元)の赦免後,14年(建保2)に妻恵信尼をともない関東に移住し,以後約20年間東国教化(きょうけ)に努めた。この間に絶対他力・悪人正機の思想を深め,主著「教行(きょうぎょう)信証」の初稿を完成させ,下野国高田の真仏(しんぶつ)・顕智(けんち),下総国横曾根の性信(しょうしん)らの有力門弟が初期教団を形成。32年(貞永元)頃帰洛し,62年(弘長2)90歳で没するまで述作・推敲などの活動を続けた。著書は「愚禿鈔」「浄土和讃」「唯信鈔文意」などきわめて多く,唯円編の「歎異(たんに)抄」や本願寺3世覚如の撰述した「親鸞伝絵」も重要史料。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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