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新派(しんぱ)

新派劇とも。日本演劇の一部門。明治期には,演劇のみならず文学・美術の各分野で在来の表現形式を旧派とよび,新しい表現形式を求めるのを新派と称した。演劇では明治20年代の角藤(すどう)定憲・川上音二郎らの壮士芝居が新演劇とよばれ,一方伊井蓉峰(ようほう)らが男女合同演劇で話題となった。その後,高田実・喜多村緑郎(ろくろう)・河合武雄らも人気を集め,日清・日露両戦争をへて旧派(歌舞伎)に対する新派という呼称が定着し,明治末には小説の劇化によって最盛期を誇った。大正期に一時人気が衰えたが,昭和期に花柳章太郎の存在もあって盛り返し,水谷八重子の参加を得て,第2次大戦後も1960年代まで大きな位置を占めた。両優の没後も命脈を保ち,豊富な演目群は大きな財産といえる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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