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陣定(じんのさだめ)

仗議(儀)・陣議(儀)とも。平安時代に公卿が陣座で行った国政会議。まずある議事について定め申せとの勅をうけた上卿(しょうけい)が,外記(げき)に公卿の召集を命じる。式日に公卿が陣座に参会すると,蔵人(くろうど)から問題の文書が提出され,上卿はこれを諸卿に回覧させる。参議までまわると筆記用に硯筥(すずりばこ)を召す。硯筥には弁官が先例を勘申した継文(つぎぶみ)があるほか,外記も別途に勘文を提出した。最末の参議から意見をのべていき,参議(執筆(しゅひつ))が筆記して,最後に定文(さだめぶみ)を作成。上卿はこれを蔵人頭に付して奏聞した。最終決定は天皇または摂関の裁断を仰ぐが,たいていは定文どおりに裁可される。議事は国政の全般にわたり,重要な政務審議機関として院政期まで機能した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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