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神道(しんとう)

日本固有の宗教・信仰。古代に神籬(ひもろぎ)や磐座(いわくら)などの自然信仰に始まり,人などに対する信仰も加わって氏神信仰へと発展した。奈良時代頃には記紀神話の伝承のかたちをとり,神社の造営など体系的にも観念的にも整備されていったが,宗教としての教義はまだ整わず,習俗的色彩が強かった。宗教としての神道が体系化されたのは鎌倉時代の伊勢神道以降であり,神仏習合思想の影響をうけながら整備された習合神道であった。その後,室町時代の唯一神道をへて,江戸時代には従来から存在した神道説が発展。儒学の影響をうけた儒家神道もおこり,それらは国学などにも影響を与え,復古神道など尊王攘夷運動の思想的背景となる説も提唱された。明治期には復古神道の影響から国家神道が提唱され,神道が国教として位置づけられた。第2次大戦後,制度的には一宗教と規定されたが,地域儀礼などに国家神道の側面は残存している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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