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寝殿造(しんでんづくり)

平安時代の貴族住宅の形式。寝殿を中心に,その南庭をとり囲むように対(たい)・渡殿(わたどの)・中門廊がコの字形に建てられる。敷地の四周には築地(ついじ)の塀がめぐり,東・西・北の三方に門を開く。コの字形殿舎群は敷地の中央におかれ,中門・中門廊から出入りする。中心のコの字形殿舎群が主人および家族の居所,儀式の会場になるのに対して,外側塀との間には車宿(くるまやどり)・侍廊(さぶらいろう)などの雑舎(ぞうしゃ)が建てられる。寝殿造は日本で完成された最初の都市住宅という側面ももっていたから,塀をめぐらした都市住宅の形式,中門廊を利用した出入口の形式などの伝統は,公家・武家を問わず広く継承された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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