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信長公記(しんちょうこうき)

「のぶながこうき」とも。現存諸本の多くは外題を「信長記」としているが,小瀬甫庵(おぜほあん)の「信長記」と区別するため「信長公記」と通称される。足利義昭を奉じて上洛してから本能寺で横死するまでの織田信長15年間の覇業を,1年1巻の体裁で記述した軍記。15巻本と上洛以前を描く首巻を添えた16巻本がある。信長と豊臣秀吉に仕えた太田牛一(ぎゅういち)の著。1598年(慶長3)頃までに原形成立か。とりわけ15巻は史料的価値の高い実録であり,牛一によれば,日記のついでに書き記したものを基礎にして編述したという。「天道恐敷(おそろしき)次第」として,歴史の推移に因果の道理が認められることを強調している。池田本・建勲神社本は重文。「角川文庫」「戦国史料叢書」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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