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新体詩(しんたいし)

明治期に作られた文語定型詩の総称。1882年(明治15)の「新体詩抄」ではじめて用いられた語。西洋の「ポエトリー」に範を求めて,旧来の漢詩や和歌・俳諧に対して,新しい詩を作ろうとした。その方法として,形式的には句と連との分かち書き,語法上では日常語の導入,内容的には「連続したる思想」の表出が提唱された。以後,「新体詩抄」の増補改訂版というべき「新体詩歌」諸版や,山田美妙編「新体詞選」などが刊行され,広く流布する一方,次々と入門作法書も発行された。はじめは既成の思想を七五調などの定型に盛っただけの詩編が多かったが,島崎藤村の「若菜集」に至り,内実をともなう詩的世界を獲得した。明治末期に「詩」の呼称が一般的になった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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