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新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)

「姓氏録」とも。古代の氏の系譜書。全30巻・目録1巻だが,完本は伝わらず抄録本だけが現存。万多(まんだ)親王・藤原園人(そのひと)ら撰。815年(弘仁6)成立。京畿内の1182氏を祖の別によって皇別・神別・諸蕃の3体に類別し,出自伝承を「出自」「同祖之後」「之後」の3例で書きわけ,氏名(うじな)の由来,枝分かれした別祖,改姓などが記される。761年(天平宝字5)の「氏族志」編纂(未完)から799年(延暦18)の本系帳提出という,氏族系譜整理の一連の動きをうけて作られた公式の系譜書。その背景には奈良時代以降の氏の変質,渡来系諸氏の日本化などにともなう旧来の氏族秩序の動揺,系譜伝承の混乱があろう。佐伯有清「新撰姓氏録の研究」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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