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神国思想(しんこくしそう)

日本の国土とそこにあるものはすべて神々の生成したもので,神々に守られているという信仰ないし考え方。当初は神明の加護と神事の優先などを基調とするものであったが,しだいに神々の中心である天照大神の子孫である天皇が統治する国という神孫統治を内容とするようになり,日本の政治的独自性と対外的優越性の根拠とされた。その意味で仏教や儒教などの普遍思想とは対立する側面をもつ。とくに対外的な緊張が高まった中世の元寇や近世の幕末・維新期,昭和のファシズム期にはしばしば強調され,国家統一のスローガンとなったが,敗戦とともにその思想的生命をいちおう終えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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