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新興財閥(しんこうざいばつ)

満州事変後の重化学工業化進展の過程でうまれたコンツェルンのこと。松下電器グループや中島飛行機グループを含める場合もあるが,一般的には鮎川(あいかわ)義介のつくった日産,野口遵(したがう)の日窒,森矗昶(のぶてる)の森,中野友礼(とものり)の日曹,大河内正敏の理研の5グループをさす。持株会社の株式が公開され,資金調達の中心は株式市場だったこと,重化学工業中心の企業集団で,傘下企業相互間に技術的関連をもっていたことなどの特徴があり,戦時下の国策に対応して,朝鮮・満州などに積極的に進出した。持株会社の株式が一族のみの所有で,傘下の金融機関に資金調達を依存する三井や三菱などの既成財閥とは著しく異なっていた。太平洋戦争の戦時体制下で再編され,戦後解体。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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