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塵劫記(じんこうき)

吉田光由(みつよし)の著した数学書。1627年(寛永4)刊。光由は京都の豪商角倉(すみのくら)氏の一族。初版以来,需要が多く増刷・増補がくり返された。31年の改訂では多色刷りの挿絵が入った。多色刷りの初見。41年版に難題12問を出題し,遺題継承が始まる。明治期まで愛読され,多くの出版物に大きな影響を与えた。度量衡,八算・見一(けんいち)(帰除法),租税,求積,利息,両替,測量など当時必要とされる計算がすべて含まれている。割算(八算・見一)の説明は詳しく図解され,さらに掛戻しのかたちで掛算も図解され,自習できるよう丁寧に説明されている。和算は本書から始まったといえる。「江戸初期和算選書」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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