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讖緯説(しんいせつ)

中国で発生した神秘思想。讖とは未来予言,緯とは横糸の意で,儒教経典の経を縦糸という意に解して経の背後にある真意を説明するものとされる。緯書は「論語」および七経について作られた。両者は本来別々に発生したものであったがやがて結合し,政治思想として漢代におおいに流行した。政治的権威の書である儒教経典に仮託し予言的性格が強いため,しばしばクーデタや革命の口実や推進力となったが,隋以降は激しい弾圧をうけて姿を消していく。日本の朝廷には推古朝以前に讖緯説が入っていたと思われるが,平安時代以降も讖緯書は陰陽道(おんみょうどう)などの典拠として重んじられた。とくに干支で甲子・辛酉の「革令(かくれい)」「革命」の年の改元に際しては,讖緯説が考慮された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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