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職工事情(しょっこうじじょう)

日本の産業革命期における工場労働者の実態調査報告書。全5巻。日清戦争後工場法論議がおこるなかで,政府が農商務省商工局内に臨時工場調査掛をおいて進めた全国各工業工場の調査のうち,工場労働事情の部分を1903年(明治36)に刊行。綿糸紡績,生糸・織物,鉄工・ガラス・セメント・マッチ・タバコ・印刷・製綿・組物・電球・マッチ軸木・ブラシ・花筵(むしろ)・麦稈真田(ばっかんさなだ)部門の職工の種類,労働時間,賃金などの雇用条件を記録。付録として女工の虐待事例をはじめ過酷な労働実態を赤裸々に報告し,第2次大戦前の官庁資料としては例外的な第一級の調査資料で,戦後になってようやく利用できるようになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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