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職原抄(しょくげんしょう)

「明職」「官位抄」とも。有職(ゆうそく)故実書。2巻。北畠親房(ちかふさ)著。1340年(暦応3・興国元)成立。日本の官職制度について,官衙の別,由来,職員,官位,唐名などを詳細にのべる。任官のための家格や慣例の解説にも多くをさく。「神皇正統記」成立の翌年に,官職制度全体に注釈を加えたことは,親房の政治理念提示の一環と考えられる。奥書には執筆意図として「抄出之本意,初心に示す為なり」とあり,13歳で即位した後村上天皇に献じるのがおもな理由だったが,有力武士がこぞって任官を要望する時勢に対し,正しい慣例の権威を示す必要に迫られた事情も考えられる。「群書類従」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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