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承和の変(じょうわのへん)

平安初期におきた政治的事件。842年(承和9)7月,阿保(あぼ)親王から太皇太后橘嘉智子(かちこ)への密告により,皇太子恒貞(つねさだ)親王の側近である伴健岑(とものこわみね)と橘逸勢(はやなり)らが逮捕された。直前に嵯峨上皇が没した混乱に乗じ,2人が皇太子を奉じて東国に赴き,反乱を企てているというのが逮捕の理由であった。恒貞親王は皇太子を廃され,首謀者として健岑は隠岐に,逸勢が伊豆に配流(途中遠江で死亡)されるなど多数が処罰された。8月には藤原良房(よしふさ)の甥で仁明天皇の子道康(みちやす)親王(文徳天皇)が皇太子となった。健岑・逸勢らは冤罪の可能性がきわめて高く,上級官人層内部の対立を利用して権力の確立を図った藤原良房の陰謀と推定される。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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