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秤量貨幣(しょうりょうかへい)

重量を計ることによってその価値を決めて使用した貨幣。戦国期までの金銀は,砂金・延金(のべきん)・丁銀(ちょうぎん)など形状や品位もさまざまな秤量貨幣だったが,織豊期になると金貨は一定の品位・重量・形状をもつ小判などが造られはじめ,計数貨幣として定着していった。銀貨には一定の品位を保証した極印(ごくいん)銀が出たが,依然秤量を不可欠とした。江戸幕府発行の銀貨や,江戸前期の領国貨幣の多くも同種の秤量貨幣であった。計量を必要とした銀貨は,両替商などによる包封のまま通用する場合が多かった。秤量銀貨の使用は1868年(明治元)銀目廃止まで続いたが,1765年(明和2)発行の明和五匁銀は,匁を単位としながらも12枚で金1両と交換する初の計数銀貨であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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