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称名寺(しょうみょうじ)

横浜市金沢区にある真言律宗の寺。1260年(文応元)頃北条実時が,母の菩提を弔うため六浦(むつら)荘内にたてた念仏の寺を,67年(文永4)に妙性房審海(しんかい)を開山に迎えて律寺に改めた。2世剣阿(けんあ)・3世湛睿(たんえい)は優れた学僧である。六浦は朝比奈切通しを通じて鎌倉とつながり,和賀江津(わかえのつ)と並ぶ鎌倉の外港で,称名寺は六浦津を管理し,関銭を徴収していたようである。和賀江津に関して極楽寺が同じ立場にあったことから,忍性(にんしょう)を中心とする律僧は北条氏と結んで鎌倉の海上貿易を押えていたといえる。境内には金沢文庫があり,1323年(元亨3)の「結界絵図」(重文)や紙背文書を中心とする金沢文庫古文書,石造の五輪塔などの多くの文化財がある。苑池を中心とした境内は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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