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浄土庭園(じょうどていえん)

平安時代,仏教の浄土思想をもとに極楽浄土の雰囲気を具現するために造られた仏堂にともなう池庭。形態は仏堂の種類・形式・配置によりさまざま。意匠的には当時の貴族の住宅様式だった寝殿造庭園と同一といえる。はじめは浄土形式庭園とか浄土式庭園といったが,昭和10年代後半に浄土庭園として定着。文献では慶滋保胤(よししげのやすたね)の「池亭記」(982成立)が初見。ついで藤原道長の法成寺,白河天皇の法勝寺があり,平安中期の遺構には平等院,平安末期には法金剛院・浄瑠璃(じょうるり)寺・円成寺・毛越(もうつう)寺・観自在王院跡・無量光院跡・白水(しらみず)阿弥陀堂がある。浄土庭園は鎌倉時代にも受け継がれ,禅宗文化の影響による新しい庭園の出現まで続く。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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