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浄土教美術(じょうどきょうびじゅつ)

浄土教の信仰にともなって制作された仏教美術。種々の仏菩薩とその浄土への往生が希求されたが,平安時代以降,浄土教はふつう阿弥陀如来とその極楽浄土への往生を願う信仰をさした。阿弥陀如来をはじめとする造像,極楽浄土への賛仰から阿弥陀堂建築・浄土庭園・浄土変相,極楽往生への欣求(ごんぐ)から九品来迎図などの来迎美術,また現世を穢土(えど)とみて輪廻(りんね)からの解脱を勧める六道(ろくどう)絵・十界(じっかい)図・二河白道(にがびゃくどう)図などの造形が行われた。唐代浄土教の影響をうけて奈良時代から浄土図などが描かれたが,浄土教美術は平安中期以降盛んになり,平安後期に最も活況を呈した。鎌倉時代にはより一般に流布したが,造形的には類型化した作品を多作したにとどまった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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