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正長の土一揆(しょうちょうのつちいっき)

1428年(正長元)近江国,京都で徳政実施を求めた武士・民衆が武装蜂起し,畿内近国に内乱状況が波及した事件。この年は将軍が足利義持から足利義教に,天皇が称光天皇から後花園天皇にかわった年で,また疫病がはやり,全国的に飢饉の年でもあり,代替りなど時代の変り目をきっかけになされる徳政の始まりを当時の人々に予感させた。近江で徳政の沙汰があったことをきっかけに9月,京都醍醐で土民が蜂起。借用証文を奪取し,質物を奪い返してみずから徳政を実施する私徳政を行い,11月には京都市中で土一揆が私徳政を行い,さらに奈良でも土一揆が蜂起した。この動きは伊賀・伊勢・大和・紀伊・和泉・河内・播磨の各国へも波及,さらに翌年播磨・大和宇多郡・丹波・伊勢・出雲の各地で土一揆が蜂起した。このとき近江では山門(延暦寺)領を含む一国平均の徳政が行われ,大和でも地域ごとの徳政が行われた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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