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定朝(じょうちょう)

生没 ?~1057.8.1 平安時代の仏師。1020年(寛仁4)無量寿院の造仏を皮切りに,師もしくは父である康尚(こうじょう)の仕事をうけつぐかたちで藤原道長に重用され,その造営になる法成寺(ほうじょうじ)の金堂・薬師堂などの大規模な造仏を手がけた。次の頼通時代にも天皇を含めた道長一族の関係する造像を独占的に行い,48年(永承3)供養の興福寺復興造像にもたずさわる。この間,当時の仏師としては異例の僧綱(そうごう)位(法橋(ほっきょう)ついで法眼(ほうげん))を獲得して社会的地位を高め,また数十人の小仏師を擁する工房を統率していたと思われる。晩年の作の平等院阿弥陀如来像にうかがえるように,古典の学習を基盤として王朝貴族の嗜好にあった典雅な仏像の姿を造りだし,以後定朝様として強い拘束力をもった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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