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成実宗(じょうじつしゅう)

訶梨跋摩(かりばつま)の「成実論」を所依とする宗派。南都六宗の一つに数えられているが,万象が空であり無であることを悟ることにより解脱(げだつ)でき,涅槃(ねはん)に入ることができるとの教義は,三論宗の教義と近似しているため,平安時代以降は三論宗に付属するものとして扱われた。806年(大同元)諸宗の年分度者(ねんぶんどしゃ)を定めた際,三論宗3人のうち2人は「三論」を読誦し,1人は「成実論」を読誦するとされ,「成実論」は三論宗学徒の兼学すべきものだったことがわかる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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