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貞慶(じょうけい)

生没 1155.5.21~1213.2.3 鎌倉前期の法相(ほっそう)宗の僧。京都生れ。号は解脱房(げだつぼう)。笠置(かさぎ)寺上人とよばれた。藤原通憲(信西(しんぜい))の孫で同貞憲の子。興福寺に入り叔父覚憲について法相・律などを学ぶ。1182年(寿永元)維摩会竪義(ゆいまえりゅうぎ)を遂げ,御斎会(ごさいえ)・季御読経(きのみどきょう)などの大会に奉仕し,学僧として将来を嘱望されたが,名聞をきらい93年(建久4)かねて弥勒信仰を媒介にして信仰を寄せていた笠置寺に隠遁した。以後般若台や十三重塔を建立して寺観を整える一方,竜華会を創始し弥勒講式を作るなど弥勒信仰を深めていったが,1208年(承元2)海住山寺に移住し観音信仰にも関心を示した。1205年(元久2)興福寺奏状を起草し,法然(ほうねん)の専修(せんじゅ)念仏を批判した。法相・律・弥勒関係や「愚迷発心集」など著書多数。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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