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城下町(じょうかまち)

中世~近世の最も代表的な都市類型。領主の城館を中心として,家臣団の屋敷,足軽町,寺社,町人地(町屋)などで構成される。起源は,中世の在地領主の館に求められ,南北朝期以降,守護所(しゅごしょ)や国人(こくじん)領主の城館を核とする城館町を先駆的な例とみることもできる。戦国大名の城下町はより規模は大きいが,都市領域は分散的で,家臣団の本拠は依然として在地にあり城下町にはなかった。都市的諸要素を集積した城下町建設は,織田信長の安土(あづち)城下(山下(さんげ))と京都二条邸に始まり,豊臣秀吉の大坂城によって,その基本的構造が完成された。それは巨大な平城を中核とし,兵農分離をへた直属家臣団や商工業者が集中し,中世末の在地社会が築きあげた宗教施設・技術・経済・文化などの諸要素が集積された。近世前期には,江戸・大坂・京都の三都を頂点に,陣屋町など大小さまざまの城下町が建設され,支配・流通・文化の中枢として近世社会の骨格を形成した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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