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修験道(しゅげんどう)

日本古来の山岳信仰が道教・儒教・密教などの影響をうけ,平安末期頃に実践的な宗教体系を作りあげたもの。山岳修行による超自然的霊力の獲得と,呪術宗教的活動を行う山伏(やまぶし)に対する信仰も含む。7~8世紀頃の役小角(えんのおづの)を開祖とする。鎌倉・室町時代に,熊野三山を拠点とする熊野山伏と吉野金峰山(きんぶせん)を中心とする山岳寺院に集う廻国修験者の2大集団が形成され,前者は聖護院を総本山とする本山派に,後者はまず興福寺などの援助により当山派を形成し,のち醍醐寺三宝院の管轄下に入った。出羽三山,九州彦山,四国石鎚山など地方でも独自の修験集団を形成した。江戸幕府は全国の修験者を天台系の本山派か真言系の当山派に所属させ,廻国を禁止したため,町や村に定着し加持祈祷などの呪術的活動をもっぱらにした。1872年(明治5)の修験道廃止令により,諸派は天台宗や真言宗に帰属させられた。第2次大戦後,本山修験宗,真言宗醍醐派,金峰山修験本宗など修験教団はあいついで独立をはたした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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