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綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)

三教院とも。天長年間(824~834)初めに,空海が藤原三守(みもり)の平安京左京九条の邸宅を譲りうけて創立した学校。828年に空海が作った「綜芸種智院式并序」(「性霊集(しょうりょうしゅう)」)によれば,(1)内典(仏典)を僧,外典(げてん)(世俗書)を俗人に教授させ,僧が外典を,俗人が内典を学ぶことも奨励し,(2)俗人の学生(がくしょう)に対して身分差別をせず,(3)教員・学生ともに給食が与えられた。とくに(2)が注目された。しかし,同院における教育の実態や学生の実際の身分・階層,大学寮との関係などはほとんど不明。財源としては荘園を有していた。845年(承和12)東寺伝法会の財源とするために施設は売却されてその歴史を閉じ,かわって東寺領丹波国大山荘が成立した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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