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宿(しゅく)

宿泊する建物。また人馬継立てと休泊機能をもつ集落。戦国期,伝馬を継ぎ立てる集落が休泊施設をもち宿駅制度が成立して,江戸幕府に継承された。戦国大名の後北条・今川・武田3氏は,領国内に伝馬(てんま)制をしき,宿立により馬を無賃・有賃で使役する宿継体制を整備,他領への継立ても可能にさせた。天下統一をはたした豊臣秀吉は,1594年(文禄3)京都―清須間に宿駅を設け,人馬継立てを命じた。徳川家康は各大名領で成立した宿駅に新規宿立分を加え,公儀の宿駅制を整備した。関ケ原の戦後,1601年(慶長6)東海道に伝馬制をしき,宿の指定とともに伝馬数がきめられ,朱印状による無賃人馬の継立てを命じた。宿には本陣・脇本陣・旅籠屋がおかれ,駄賃稼ぎが許された。人馬の継立ては問屋場がとりしきった。公用人馬の継立てとともに商荷物の宿継も行われ,陸上の運輸・通信を公儀のもとに統制する連絡網が,直接・間接的支配のもとに宿を連結し,全国に張りめぐらされた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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