儒教(じゅきょう)
孔子を開祖とし,孟子や荀子(じゅんし)らによって形成された思想・教説。父子の親,君臣の義,夫婦の別,長幼の序,朋友の信の五つの社会関係における道徳=五倫と,仁・義・礼・智・信の五常を基本的な道徳とし,家族道徳から国家道徳までを含むが,その中心となるのは,修己と治人で,それを修めることを君子の道徳的義務とする。儒教は,中国では前漢の武帝のときに国教化されて以来,皇帝を中心とする王朝支配を正当化するイデオロギーとして君臨したため,近代社会形成期には封建教学として批判された。しかしその教えは,中国のみならず東アジア諸地域に大きな影響を与え,現在もこれらの地域の人々の日常的な生活意識や道徳意識に深く根をおろしている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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