1. 用語
  2. 日本史 -し-
  3. 柔道(じゅうどう)

柔道(じゅうどう)

徒手の格闘法。日本古来の力競べや相撲として育ってきたものが,武士の戦場で必要とする組討(くみうち)の術に発達し,江戸時代には柔術・柔(やわら)とよばれて,無手または短い武器で防御・攻撃する武芸として修練され,多くの達人を出した。おもな流派には,竹内(たけのうち)流・関口流・渋川流・起倒(きとう)流・小栗流・楊心(ようしん)流・天神真楊流などがある。明治期となり,嘉納治五郎が天神真楊流の福田八之助に入門し,この流儀の得意とする固め技・当身技(あてみわざ)を学び,ついで飯久保恒年(つねとし)について起倒流の投げ技の長所をとりいれ,1882年(明治15)講道館を開いて普及に努めた。明治末年からは中学校で学校教育にとりいれられ広まっていった。第2次大戦後の占領下,柔道が軍国主義と結びついたとの理由で学校教育では禁止されたが,いち早くスポーツとしての国際性が認められ,男子柔道は1964年(昭和39)の東京オリンピックから正式種目となり,80年には女子柔道の世界選手権大会が開かれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう