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社会主義(しゃかいしゅぎ)

生産手段の公有化を目標とする思想およびそれにもとづく運動をいい,1848年のマルクス,エンゲルスの「共産党宣言」以後おおいに発展した。日本では1898年(明治31)社会主義研究会,ついで社会主義協会が結成された。1901年に社会民主党が誕生し,平和的な社会主義の実現をめざすが即日禁止。03年議会主義にのっとった社会民主主義を基調とする平民社が創立され,日露戦争に際しては反戦論を展開した。06年日本社会党が結成されたが翌年結社禁止。10年の大逆事件以後,社会主義の取締りは強化された。ロシア革命の影響をうけて20年(大正9)日本社会主義同盟が,また22年コミンテルン日本支部として日本共産党が結成された。28年(昭和3)の普通選挙を機に共産党は大弾圧をうけ,以降転向もあいついだ。32年に結成をみた社会大衆党は,生産手段の公有化をめざしたが,その推進主体を軍部に見出したためにしだいに批判勢力としての性格を失い近衛新体制運動の推進母体となった。第2次大戦後,日本共産党が再建され,日本社会党も結成をみた。55年体制が続くなかで,社会党の存在は憲法改正を阻止する勢力として一定の支持を得るが,高度経済成長下の利益配分政治の横行,大衆社会状況の進展によって支持層を大幅に減らした。91年のソ連の崩壊や,自民党と新党さきがけを連立与党とした社会党村山内閣の治政ぶりも社会主義あるいは社会主義政党の混迷を加速した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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