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島原の乱(しまばらのらん)

江戸初期,肥前国島原と肥後国天草の領民による大規模なキリシタン農民の一揆。島原は松倉氏,天草は肥前国唐津藩寺沢氏の領地で,ともに年貢などの収奪強化が進められ,農民からの減免要求と,領主側による過酷な弾圧が続いていた。さらにキリシタンの多かったこの地域の特殊条件が結びつき,反抗と弾圧の関係が宗教的色彩を帯びていた。1637年(寛永14)10月25日頃,島原半島南部の有馬地方の代官殺害事件を発端に農民が蜂起。一揆は天草にも広がり,両地域は一時藩権力不在の状態になった。幕府はただちに上使として板倉重昌を派遣,九州諸藩にも出兵を命じたが,益田時貞を大将に原城にこもる一揆勢の反撃にあい,38年元旦の総攻撃で重昌は戦死した。1月4日に着陣した老中松平信綱は持久戦に変更,一揆勢の消耗を待ち,2月28・29両日の総攻撃で落城させ,内通者以外の一揆勢3万人近くを殺害した。その後の幕府の禁教政策・鎖国政策に大きな影響を与える。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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