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シーボルト事件(シーボルトじけん)

1828年(文政11)シーボルトによる禁制品の国外持ち出しが発覚して関係者が処罰された事件。幕府天文方・書物奉行の高橋景保(かげやす)は,1826年江戸に参府したオランダ商館医のドイツ人学者シーボルトと会い,以後交際を続けるなかで,伊能忠敬(ただたか)の「大日本沿海輿地全図」や蝦夷地図類を贈り,かわりにクルーゼンシテルン航海記・外国地図・地理書などを入手した。28年シーボルト帰国の直前に発覚,景保は29年獄死(のち死罪判決)し,シーボルトは所持資料没収のうえ29年国外退去,再渡航禁止となった。当時この事件は間宮林蔵の密告によるものと信じられ,洋学者たちにも衝撃を与えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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