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質屋(しちや)

物件を担保としその占有権を得て金銭を貸すことを業とする金融機関。南北朝期から土倉(どそう)のうちに質屋といわれる者が現れたが,小口金融業者として庶民の間で一般化したのは近世である。幕府や領主は,質屋を通して紛失物調査と盗犯防止を行うため,早くから質屋株を設定して仲間を結成させ,冥加などを徴収した。1852年(嘉永5)江戸で2075人,大坂で1328人と,三都ではとくに多かったが,農村部でも55年(安政2)の武蔵国の例では1村平均2軒の質屋があった。質屋の利息や流質の期限は,貸金の多寡や地域・時代により異なるが,年2割・1年期限が多い。近代でも質屋の営業は隆盛で,公営の公益質屋も設立された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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