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士族授産(しぞくじゅさん)

明治前期の士族救済政策。秩禄処分で士族に交付された金禄公債は少額であったうえにインフレのなかで目減りし,士族の困窮は士族反乱・自由民権運動対策としても放置できなくなった。大久保利通内務卿の「一般殖産及華士族授産ノ儀ニ付伺」を契機に,政府は1879年(明治12)以降,起業基金・勧業資本金・勧業委託金の相当部分を士族の産業従事に投じた。その交付総額は18万余戸に対して456万余円にのぼった。しかし成果のあがったのは,蚕糸業・雑工業・開墾の一部にとどまり,「士族の商法」といわれたように大部分の事業は失敗に終わり,貸与金のほとんどは90年に棄捐(きえん)された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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