地蔵信仰(じぞうしんこう)
地蔵菩薩(ぼさつ)への帰依を中心とする信仰。地蔵は釈迦入滅ののち,弥勒(みろく)の出現までの間,衆生(しゅじょう)を救うとされ,日本では平安時代に末法思想・浄土信仰とともに広がりをみせた。地獄からの救済を約束することから庶民層にも熱烈に支持され,とくに子供の守護としてしばしば童身で現れると考えられた。また冥界とこの世とを自由に交通できるとされることから塞の神(さえのかみ)との習合も顕著にみられた。現在もさまざまな利益(りやく)や由来,供物などにもとづく愛称を冠して各地に祭られる。青森県の恐山(おそれざん)をはじめとする霊場や京都の地蔵盆など,地蔵信仰を基盤にうまれて維持されている行事や習俗はきわめて多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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