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自然真営道(しぜんしんえいどう)

江戸中期の自然哲学・医学および社会批判の書。安藤昌益(しょうえき)著。刊本と稿本の2種がある。刊本は3巻。1753年(宝暦3)京都で公刊。稿本は昌益の自筆本ともみられ,101巻。ただし関東大震災のため現存するのは15巻のみ。両者の関係は,自然哲学や医学理論を展開した刊本が昌益の比較的早い時期の思想として出版されたのちに社会批判を含む稿本が作られたと考えられる。自然界の法則性と万人が直接生産者である理想社会像が描き出され,支配階級は「不耕貪食の徒」としてきびしく批判されている。封建的な身分制度を人為によるものとして批判した書物として独自の位置を占める。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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