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時宗(じしゅう)

遊行(ゆぎょう)宗とも。鎌倉時代の僧一遍(いっぺん)を開祖とする浄土教の一門流。1昼夜を六時にわけ不断念仏などを勤修する僧俗をもいう。不断念仏衆としての六時衆を略した時衆が,教団としては時宗と称された。時宗の表記は15世紀中葉以降に現れ,教団名として定着したのは江戸時代以降。一遍およびその跡をついだ遊行上人らは日本全国を遊行し,「南無阿弥陀仏 決定往生六十万人」と刷られた算(ふだ)をくばり,踊念仏を修して人々に念仏を勧めた。遊行上人・藤沢上人を頂点とする遊行派,京都の四条道場金蓮寺を拠点とした四条派,京都の六条道場歓喜光寺を拠点とした六条派など多くの流派にわかれ,中世社会に隆盛した。清浄光寺(神奈川県藤沢市)を総本山とし,所属寺院410余。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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