式(しき)

律令時代の法典。律・令(りょう)・格(きゃく)の施行細則。ただし延暦・貞観交替式のように格と区別しがたい場合もある。律令は細則を式にゆだねるたてまえであったが,日本では律令と同時に体系的な式の編纂を行うことをせず,必要に応じて施行細則がさまざまな「例」としてまとめられたり,「別式」(石川年足撰)が編まれたりした。平安初期以降,これらを編集・整理して政務執行の便をはかる必要がでてきたため,820年(弘仁11)に「弘仁式」,871年(貞観13)に「貞観式」,927年(延長5)には両者を集成した「延喜式」50巻が編集された。「弘仁式」の一部と「延喜式」が現存する。このほか,延暦・貞観・延喜の交替式,左右検非違使式,蔵人(くろうど)式,内裏式など数多くの式が編纂された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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